京都の占いスペース「占庭」は、気持ちの整理整頓を手伝ってくれる場所

みなさんは「占い」に どんなイメージをお持ちですか?

私は人生で一度だけ、占いに行ったことがあります。
黒や紫で覆われた少し不気味な空間の中で、生年月日から今や未来を見てもらったような…。占い師さんは優しくて、伝えられた言葉に納得はしたものの、あの雰囲気が得意ではなくて、それから占いには行っていませんでした。

そんな私ですが、「緑と星」のお二人に教えていただいた、京都の「占庭(うらにわ)」さんという占いスペースを知って驚きました。
占庭さんの雰囲気は、暗くて不気味でなんとなくドキドキする、私が持っていた占いのイメージとは真逆だったからです。

優しい色合いと可愛らしいネコちゃんの写真が印象的なHP。

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トップページにはこのような言葉が書かれていました。

占いって悪いことを言われて落ち込みそう、とか、
何かモノを売りつけられるんじゃないかしら?とか、
興味はあるけれど見料が心配……など、
なかなか一歩が踏み出せなかったりしますよね。
こわい、、、、そんなイメージを抱いている方もあるようです。
占庭はちょっと気がかりなこと、誰かに相談したいこと、どっちにしようか迷っている、といった
大きな悩みではないことでも、気軽に気楽に話しに来られる場所でありたいのです。

『占庭』 占い師 みゆき

ホッとさせてくれる、あったかーいメッセージ。
どんな方が、どんな思いで占いをされているんだろう。
気になって、占庭の占い師・みゆきさんにお話を伺いました。

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ーHPもお部屋も可愛い雰囲気で、私がイメージしていた〝占いスペース〟ぽさがまったくなくてびっくりしました(笑) 

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暗い雰囲気が嫌でね。なんか恐いでしょ、おどろおどろしいというか。ああいった雰囲気が好きって人もいるけど、わたしはできるだけ明るくて普通のお部屋に遊びに来る気分で占いに来てもらえたらいいなと思っているので、あえてホームページも、わかりやすさ優先の普通のデザインで作ってもらったんです。そしたら、感性が合うというか、「あっ、ここいいかも」と感じた人だけが来てくれはったらお互いにとっていいでしょう。

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ー占庭さんでは、どのような方法で占いをされるんですか?
まず、占ってほしいことをお客さんに聞いて、そのテーマについて生年月日・手相・タロットカード占いの3つで観させてもらってます。占いって、「命(めい)」「相(そう)」「卜(ぼく)」の3種類あるんです。「命」は生年月日で占うもの。一生の運の流れを掴んだり、今年の運気、持って生まれた性質や才、業などを占います。「相」は、手相や人相、家相など「見て」占うもの。相は、年齢を重ねることや考え方によって変化するものです。そして、「卜」は偶然性で占うもの。「たまたま出た」もので、直近の将来など、流動的なことを占うのに適していて、タロットはこれに含まれます。わたしは最初、生年月日と手相だけで占っていました。でもせっかくなら、卜の占術も身に付けて3つ組み合わせて占った方が、楽しいし、いろんな角度からお客さんにお話しできるなと思って、タロットも勉強しました。

ー現在では、タロット占い教室も開かれてるんですよね。
はい、希望者の方にマンツーマンで教えています。いつか占いを仕事にできればと思っている人から、タロットの意味を知りたいという方まで受講される方はさまざまです。なので、進度もその方に合わせます。ゆっくり習いたいという方には、タロットの読み方や意味に加えて、描かれている絵柄についても解説しています。それを知ったからタロットの読み方が変わってくるという訳ではないのですが、奥が深くておもしろいですよ。

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ー今度、タロットを読み合うリーディング会も開催されるんですよね。
はい、イベントスペース「緑と星」でおこないます。マンツーマンのレッスンだとなかなかゲスト相手に読む機会ってないんですよね。上達するためには、ある程度の緊張感を持って数をこなすことが大事だと思うんです。いきなりお客さんを前にするのはハードルが高いので、タロットを習っている方同士で読み合うのはとてもいい経験になると思います。他の人の読み方を知ることもいい勉強になるでしょう。


ー占いは小さい頃からお好きだったんですか?
そうですね。小学校低学年の頃から、マンガ雑誌とかに載っている星占いのコーナーは必ず読んでました。親にねだって、占いの本を買ってもらったこともあります。

ー占い師さんのキャリアってどんな感じなのか想像がつかないので(笑)、みゆきさんがどんな人生を歩んでこられたのかを聞いてもいいですか?
高校卒業してすぐ占い師になって、、、といったキャリアではないですよ(笑)4歳から44歳まで、ずっと岡山県倉敷市で生活していました。高校を卒業して就職した会社では、始業時間より1時間も早く出勤して煙草を喫う男性社員の灰皿の掃除をしたり、お茶汲みをしたり、頼まれた図面を焼いたりと仕事内容はとにかく男性社員の手伝い。それが全然おもしろくなくてね。「大学に行った同級生は今頃楽しく過ごしてるのかな」なんて思いを馳せながら日々を過ごしていました。

ー今ではあまり考えられないですが、当時は女性がそういった役割を一手に引き受けさせられていたのですね。
そうなんです。3年半で結婚退職しました。当時は転職なんて考えはまったく頭に浮かばなくて、結婚して辞めるしか円満な辞め方はないと思い込んでいました。退職して半年くらいして、「働いてみない?」と誘われた前職の関連会社で働き始めました。そこは、前勤めていた会社の福利厚生部門を担っている子会社だったのですが、男性のサポート役だったそれまでと違って、しっかり自分の仕事を与えてくれる環境でした。保養所の手続きとか、宿の手配とか、寮費の計算とか、親会社の偉い人の会食のセッティングとか、そういった1つひとつの仕事にすごくやりがいを感じられたんです。
人と関わっていく仕事は自分に合っているのかも、と気づいたのはその職場ででした。
そこで働いているときに妊娠が発覚したのですが、病気で流産してしまって、2年くらいは子どもを作れないっていう状況のときに、夫が浮気したんです。

ーえっ、、、!
夫は前職で一緒だった人で、浮気相手もその会社の人。ちなみに前職と、当時わたしが勤めていた会社は同じ敷地内にありました。だから、ややこしいし居づらいなあと思って、楽しかったけど仕事を辞めたんです。その後は、スーパーマーケットでPOPライターをしました。マジックや筆で、店内に飾る看板とか小さいポップを作る仕事だったのですが、これもとても楽しかったんですよ。

ーPOPライターというお仕事は初めて聞きました!そこからは長くそのお仕事を続けられていたんですか?
いえ、またいろいろありまして…。その間に夫とは一度離れて戻ってという感じで、また子どもを授かったんです。それでPOPライターのお仕事は一度辞めたのですが、妊娠8ヶ月になる頃に「好きな人と一緒になりたいから、やっぱり別れてくれ」って言われてしまって。結局、子どもが生まれてから別れました。それからは、身体を壊したり、会社が傾いたりしちゃったこともあってほんとにいろんなお仕事をしました。知り合いのお弁当屋さんを手伝ったり、当時倉敷にあったチボリ公園というテーマパークで働いたりしたこともあります。

ーなるほど。お子さんを育てながらずっと倉敷で働かれていたのですね。
そうです。倉敷を出るきっかけになったのは、子どもの大学受験でした。京都の大学に行くことになったんです。当時わたしは大阪に住んでる人(現在の夫)とお付き合いをしていたので、「それならわたしも」と、一足早く京都に行った息子を追いかけるように、11年前の6月に関西にやってきました。子どもが大学を卒業するまでは堅気の仕事をしないといけないと思って、大学事務員をしていたのですが、子どもが就職するのを機に「好きなことをやろう」と思って、占いのお仕事を始めました。

ーそれで今に至るのですね!占いはまったくされていなかったのですか?
ずっとやってはいたんです、倉敷にいた頃から。というのも、通っていたヨーガ教室の先生が、ある日「この前手相観てもらったらね、こんなこと言われたのよ」ってお話をされて。わたしは小さい頃からずっと本などで占いの勉強は続けていたので、先生の手相が気になって「ちょっと見せてもらってもいいですか?」って頼んだんです。そしたら「あら、みゆきちゃん、手相が見られるの?見てちょうだい!」って頼まれて、観て話をしたら喜んでくれはって。「あなたの占いはみんなを元気にする。だから、おやりなさい」って言っていただいたんです。それから、ヨーガ教室を一緒に受講してた生徒さんやそのお知り合いの方へと口コミで少しずつ広がっていったので、仕事終わりや休日にときどき占いをしていました。

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ー趣味ではなくお仕事という形でされていたんですか?
最初は無料でと思っていたのですが、ヨーガの先生に「タダだとみんなが気を遣うから、安い金額でもお金はいただきなさい。」と言われて、500円から始めました。「お金を貰うからにはプロだからね。」と同時にプレッシャーもかけられましたが(笑)関西に来てからも、最初は職場で知り合った人と、そこからの紹介の人だけを観ていて。仕事を辞めてからは、占い師の派遣会社に登録して、いろんな商業施設やイベントで占いをしていました。今のような形態でお店を構えたのは6年前ですね。2011年の7月7日、最初は大宮中立売に占庭をオープンしました。

ー占い師の派遣会社があるんですね!スペースを作ろうと思ったのはどうしてだったんですか?
派遣されて占いをしてると、毎回行く場所も観るお客さんも変わるので、どうしても占いっぱなし・言いっぱなしになるでしょう。そのとき偶然わたしが観た人が、もし「もう1回あの人に占ってほしい」とか「この前の占いの後にあった出来事について話したい」って思ってくださっても、わたしのところへ訪ねられないんですよ。占いって、絶対にアフターケアが必要なものだから、同じ場所に同じ人間が座っていて、来たいと思ったお客さんがいつでもまた来れるような環境があることって大事だなと思ったんです。それで、今のスタイルになりました。

ー「アフターケア」とはどういうことですか?
お客さんの中には「あの占いの後ああなってこうなったんですよ」とか「自分は占いの結果を受けてこうしたんです」ってことを話しに来たい方も多いんです。そういった言葉を、占い師は責任を持って引き受ける役目がある気がしています、そのためにも場所が必要だなって。このように考えているので、ずっと1人で占庭を続けてます。占い師を複数人体制にしちゃうと、バラエティは広がるかもしれないけれど、「この前の占い師さんに観てもらえなかった」ってガッカリされてしまう可能性もあるでしょう。

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ーなるほど。占いをリピートされる方が多いというのは知らなかったです。
毎年新たな星が巡り来て1年の運勢が変わるので、年に1回は来られる方が多いですね。

ーそうなんですね。ちなみに、「占いが当たらなかった!」なんて言いにくる方もときにはいそうな気がするのですが...
ありがたいことに、クレームは1回も無いんです。
100パー当たるわけないんですよ、占いなんて。全部当たったら怖いでしょ(笑)絶対当たる占いなんてないし、未来のこと全部だなんて神様でもわかりません。「なにもかもお見通しで、将来のことが透けて見えるわけじゃないですよ。そこは期待しないでくださいね」っていうわたしのスタンスが、お客さんに届いているんだと思います(笑)すごく恵まれています。

 

ーお客さんの客層はいかがですか?
女性が9割ですね。年齢は高校生から、一番年上で91歳の方まで観せてもらっています。中には、お母さん、お父さん、お子さんとご家族全員を観ている、なんてお家もありますよ(笑)以前は同志社大学のフリーペーパーに広告を載せてもらってたこともあって、大学生もよく来てくれていましたね。最近は減りましたが、本当はもっと大学生も観たいなあと思っています。

ー大学生を占いたいというのはどうしてですか?
大学生って、まだまだ関わる大人が少ないと思うんです。親、大学の先生、バイト先の社員さんや先輩くらい。しかも、みんな身内だったり結構知ってる人でしょう。近いからこそ相談できないことってあるじゃないですか。それゆえ、どうってことないことに煮詰まってしまったり、1人で抱え込んでしまったりすることが多いように感じるんです。そんなときに、わたしのようなフラットな立場にいる大人が発した一言が、意外と役立つことや少し気持ちを楽にさせてあげられることもあるんですね。学生が迷ってるときに、心の整理をお手伝いをする役割ができたらなって思っています。

ー大学生からはどんな悩み相談をされることが多いですか?
恋愛系の相談もそうですが、就活に悩んでの相談が多いですね。適職って何だろうとか、どこの会社がいいんやろうって、迷いますもんね。でも、仕事って実際やってみないと、自分に向いてるかどうかなんてわからないでしょう。企業イメージはあるとしても、どこに配属されてどんな仕事をするのかとか、そこにどんな人がいるのかは入ってみないとわからない。だから、縁のあるところに入って、ベストを尽くして、ダメやったらまた違う会社へ入り直す、でいいと思うんです。世間体とか親の意向とかをいろいろ背負いすぎて苦しくなってる子も多いので、話を聞いて、言葉を伝えて、少しでも背負ってる荷物を軽くしてあげられればなあと思ってます。

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ー占いをする際に、お客さんにお願いすることってありますか?
「なるべくたくさん、あなたについての情報をください」ってことですね。占いって、多くの情報があればあるほど、良い答えを返すことができるんです。けれど、占いに慣れてない方は、自分のことをどこまで話していいのかがわからなくて、思ってることを半分くらいしかお話しになれないことがあります。そうすると、どうしても占いで返せる結果も中途半端になるんですよね。

ー不完全燃焼感は、お客さんも同じように感じられるんでしょうか。
そうみたいですね。不本意な顔をして帰られるお客さんもおられますから。でも、不思議なことに、そういった方がもう一度来てくれはったりするんです。そして、2回目は堰を切ったように話されます。だから、2回目はお互いスッキリと終われるんですよ。

ー占いをされるときやお客さんと接するときに、みゆきさんが気を付けてらっしゃることはありますか?
なるべく叱らない・脅さない・否定しないってことですね。占いに来て、見料支払って、ネガティブな気持ちや不安になって帰るなんて嫌でしょう?少しでもスッキリしたり、背負ってる荷物を置いて帰ってもらえればという気持ちがあるので、そのあたりは心掛けています。たとえお客さんの未来に困難が待ち受けていると見えても、「すべてが思い通りの人生なんてないから、うまくいかないときはこういう気持ちで乗り越えていきましょうね」と背中を撫でたり押したりする気持ちで励まします。

 

ー占いの効能は、ズバリどんなところだと思いますか?
自分の気持ちを整理整頓して、自分が「本当はこうしたかったんだ」とか「これは嫌だと思っていたんだ」ということを理解してすっきりできることですね。悩んでるときや迷ってるときは、頭の中や心の中が散らかってるんですよ。メリットもデメリットもぐちゃぐちゃになっちゃって。それを仕分けする作業を、占いを通じてお手伝いできればと思ってるんです。「今はこれを頑張る時期やから、集中してやりましょう」とか、「今年は評価を得られる年ではないから、あまり気を張りすぎず、遊びながらゆったりいきましょう」って伝えるだけで、お客さんは「頑張らなくっちゃ」とか「頑張りすぎるのはストップしよう」って思うことができる。そうすると「どうしよう」って混乱してる頃に比べれば肩の荷が降りている、という風になるんです。
整理整頓のお手伝いをして、その方がどうしたいのか、どうなりたいのか、何を希望していて何が嫌なのかがわかると、背負うべき荷物と、必要ではない、ここに置いていっていい荷物が分けられますよね。そのヒントを繰り出すのが占い師の仕事だと思っています。

ーお話を聞いていると、みゆきさんの占いってカウンセリングみたいだなって思いました。
「カウンセリングみたい」ってよく言われるんです。でも、全然違うんですよ。カウンセリングは、治療なんですよね。お話を聞いてもらって、薬が処方されたりして、辛いとか苦しいとか悩んでるって状態を治療していくもの。一方で、占いって、何も治らないんです。たとえば、八方塞がりでどうしようもなくなった方が占いに来ても、何かが改善されるわけではない。お店を出ても、状況は最悪なままなんです。でも、たとえばわたしが占って、「たしかに運気悪いですね。これだけ悪かったら、今の状況は仕方ないですよ!今はふんばる時ですね」って伝えるだけで、「運気悪いならしょうがないわ〜(笑)」って言いながら、なんだか納得してすっきりされて帰られる方もいらっしゃるんです。

ーなるほど。治すわけではないし、治そうともしていない。でも感じ方や捉え方が変わることで状況が違って見えるという感じでしょうか。おもしろいですね。占い師をしていて、楽しい瞬間ってどんなときですか?
やっぱり、知らない話を聞けることは楽しいですね。わたしは子どものときから、とにかく読書が大好きだったんですけど、それは知らない世界を垣間見られるからなんです。占い師は、いろんな職業、いろんな職場、いろんな恋愛、いろんな人生経験を直に聞けるでしょ。とってもおもしろいです。天職だなあと思っていますね。あとは、お客さんの中には、うち以外にもいろんな占いに行かれている方も多いので、他ではどんな占いをしているのかや、占い師にどんなことを言われたのかなどの話しを聞くことも楽しみにしています。
嬉しいことは、やっぱり一度観たお客さんがまた来てくださることですね。リピートしていただけることが嬉しいのはもちろん、就職で東京に行った子が、帰省したときに寄ってくれて近況報告をしてくれたりするとすごく嬉しいです。

ー最後に、ひとつ聞かせてください。占いにはいろんなお客さんが来られるので、ときにはネガティブなお話とか大変な苦労についてのお話を聞くこともあると思います。それを聞いていて、みゆきさんも疲れてしまうことがときにあるのかなと思うのですがどうでしょう?
お客さんのお話を受け止めて毎回しんどくなってたら、この仕事はできません(笑)わたしは、話を聞いて占いから言えることを伝えることしかできない。それ以上、助けてあげられる力も救ってあげられる力もありません。だからこそ、自分ができる占いを精一杯やって、あとは「あなたの力で頑張ってください」とお客さんの背中を少し押すくらいのことで。わたしは、わたしにできるお手伝いをするのみだと思っています。

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【Profile】

HP:

kyotouraniwa.web.fc2.com

ブログ:

kyoto-uraniwa.hatenablog.com

住所:
京都市中京区高倉通四条上る帯屋町573 豆英ビル2F
http://kyotouraniwa.web.fc2.com/07access.html

 

■My note

インタビュー中、印象に残ったことがあります。お話を伺っている中で、「日々占いの勉強はされ続けてるんですか?」と聞くと、みゆきさんはこのように答えてくれました。

「いろんな占いをひと通りかじってみて、一番打率がいいと思った占術を選んでいるので、新しいことに手は出しません。でも、占いのノウハウや知見を資料にまとめていってはいるんですよ。あと、お客さんのカルテは全部残しているので、定期的にカルテをまとめ直しています。まとめる中で規則とか新しいルールが見えてきたときはたまらなく面白いですよ。データを集めたり分析したりするのが好きなんです。」

そうしてみゆきさんが見せてくれたのは、パンパンに膨れたファイル数冊でした。分析をして新たなルールを導くなんて、なんて研究熱心!そして、すごく面白いなあとワクワクさせていただきました。

柔らかい笑顔と、優しく心強く寄り添ってくれる心の持ち主であるみゆきさん。最後に少し手相を観てくださったとき、

「あなた、先のことを心配しすぎて不安になってしまう傾向があるね。」

そう言われてドキッとしました。

私は、何事も最悪の状況を想定します。最悪を想定していると、そうならなかったら万々歳だし、なっても想定内だから。その考え方は、裏切られたり落胆したりした経験から自然と身に付いたものでした。そう説明するとみゆきさんは一言、このような言葉をくれました。

「でも、それって疲れない?そんなに心配しなくていいと思うよ。信じて裏切られたっていいじゃない。」

その言葉は、私の心をスッと軽くしてくれました。まるで、囚われた何かから解放されるように。

占いに、自分の心を整理したり、知らぬ間に背負い込んでいる荷物を見直したり少し降ろしたりできる役割があることを、私はみゆきさんから教わり、体感しました。

 

記事を読んで、何か心に留まる部分があった方へ。

「少しお話を聞いてもらおうかな」

ぜひ、それくらい気軽な気持ちで、一度占庭さんへ足を運んでみてください。