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【About you】♯105 RIA

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■  Basic data

名前:RIA(29歳女性)

運営サイト:Girls Real Hack|女子に役立つリアル情報ブログ

 

■ Interview

―今日はインタビューの機会をいただきありがとうございます。よろしくお願いします。まず、改めて運営されているブログのことについて教えてください。

よろしくお願いします。運営している「Girls Real Hack」は、「女子に役立つリアル情報ブログ」というコンセプトを持って2014年8月から始めました。毎月1~3記事ずつくらい更新しています。

 

―もう始められて2年になるんですね。RIAさんは別に本業をお持ちだと思うのですが、どんなきっかけからこのブログを始められたのですか?

ちょうどこのブログを始めた当時、私は事務の仕事をしていたんですが、不満が色々溜まっていたんです。事務って、制限時間内に正確な処理を求められる仕事なので、なかなか自分を表現できる機会もなくて、つまらなかったんです。その分アフター5を楽しめたらよかったのですが、残業も多くて、「人生しょーもない」って思ってました(笑)もちろん、事務職を否定してるわけではなくて私に合わなかっただけなんですけどね。

そんな荒れていた時に手に取った本に、「子どものときに好きだったものに目を向けてみよう」とアドバイスが書いてあったんです。そのアドバイスに従って考えてみると、昔から書くことが好きだったなあって思い出して、いきなり仕事にするのは難しいから、まずはプライベートで表現してみようとブログを始めました。そのとき手に取った「ブログ飯」という本に、「ブログのテーマを考えるべき」と書かれていたんです。確かに雑記にしちゃうのももったいないから何かテーマを持ちたいなと思って、「女子に役立つ情報・女子向けのライフハック記事」を発信していこうと決めました。そのときは今ほどMERYのような女子向けのメディアも流行っていなかったので、自分が発信する価値があると思ったことも理由です。

 

―ターゲットを女子にしたのはどうしてですか。

自分がいろいろとこじらせていたことが関係しているんです(笑)たとえば、私が当時していた事務の仕事を選んだのも「女子だから」だったんですよね。ちょうどいいかなって思って。出版業界や大手企業の総合職に憧れもありました。けれど、「仕事漬けの日々になりそう。なんだか可愛げもないし、バリバリ働くと今以上にモテないんじゃない私?」って思っちゃったんですよね。これは、もし自分が男性だったら持たなかった考えだと思います。それで結局、ほどほどにモテそうな事務の仕事を選んだんです。そこに対する後悔や罪悪感はありました。でもそれ以上に「女性は男性と同じように頑張っても成功できるわけじゃない」って思いが強かったんです。たとえ出世を勝ち取れて仕事で成功したとしても、幸せな恋愛や結婚といった女性としての成功には繋がらないんじゃないかという気がしていて。そこに気付いたときはすごく悔しかったし、もっと若い頃に知っておいたらよかったなと思いました。

だからこそ、男性と同じような頑張り方をするだけじゃなく、女性ならではの頑張り方や処世術があるよってことを下の世代に伝えたいと思ったんです。

 

―そうなんですね。たしかに「女性は男性と同じような頑張り方をするだけじゃいけない」的な考えは、私も共感出来る部分があります。

ありがとうございます。他には、学歴コンプレックスがあったのも関係しています。高校のときは「いい大学に行った方が、頭の良い男性や友人に出会えるのでは」と思って勉強を頑張った結果、偏差値がそこそこ高い大学に受かったんです。でも、いざ入ってみると大学をまたいで入れるサークルがたくさんあるので、周りの男子たちはみんな別の大学の可愛らしい女子と付き合っていくんです。その女子たちは、高校時代勉強はそこそこに、オシャレや恋愛を楽しみ、女子として自分を磨いて来た子たちだったんです。それに、自分の学歴を伝えて「あ、ちょっと引かれたな」って感じたこともありました。

男子なら、勉強ができれば「いい大学に行っていい企業に入って出世してモテて美人の奥さんをもらう」みたいなリターンがある可能性ってわりと高いけれど、女子はちょっと違って、もともとの足りないものを勉強では補えないのではないかなって思ったんですよね。

そういった疑問や不満や怒りなんかも、ブログを書く原動力になっています。

 

―ちなみに、RIAさんは匿名で発信されていますが、それはなぜですか?

このブログのテーマは、私のコンプレックスから生まれたものなので、実名で発信するのが恥ずかしかったんです。昔からわりとしっかりしたお姉さんキャラに見られることも多かったので、余計に「そんな一面あったんだ!」って友達に知られるのがなんだか気恥ずかしくて。中学の時も「タイタニック」が大好きでレオナルド・ディカプリオの大ファンだったんですけど、友達に話して「えー!意外!」なんて言われたら嫌だなあと思って秘密にしてたりと、昔から自分の考えを伝えることに苦手意識はあったかもしれません。友達は何も気にしないかもしれないから、ただの自意識過剰なんですけどね(笑)

それに、実名だとそういった恥ずかしさもあいまって、コンプレックスを根本からさらけ出せなかったりするので、本当に届けたい人には届かなくなる中途半端な記事になると思ったんです。だから、本音をさらけ出せるように、匿名にしました。友人にもこのブログのことは教えていません。

 

―「女子向け」ということは、メインターゲットは10代後半~20代前半の女性でしょうか?

自分がもっと早くに知っておけばよかったなあ、と思う内容をよく書いているので、高校生向けに書いている記事も結構多いです。一番読まれている記事も、実は「ぼっち」の学生に向けて書いた記事なんです。

girlsrealhack.com

私自身が、高校生のときにクラスでぼっちだったんです。当時は結構辛かったんですが、「こういう風に考えられてたら少し楽になっていたかも」と思うことがいろいろあったので、まとめてみました。

ぼっちへの対処方法を書いた記事は世の中他にもありますが、多いのは「頼れる人に相談しよう」的な解決方法なんです。でも、「いやいや、それができないからぼっちなのよ」って思ってて。実際、ぼっちの子で家庭もうまくいってない子もたくさんいます。

だからこそ、「自分ひとりで無理なくできること」まで落とし込めた対処法だけを書いています。これは、この記事に限らずブログ全体で意識してるんですけどね。だから、ブログ名に「Real」と付けているんです。

 

―確かに、拝見していると「可愛い小物で気分を上げる」「ラジオを聴く」など具体的に試せることばかりでいいですね。読者の方は、検索でこの記事にたどり着くのですか?

そうですね、検索経由が多いです。困っている方が悩んでいることで検索したときにピッタリの記事を見つけてこのブログへたどり着いてくれればいいな、とはずっと思っているので、キーワードプランナーでそれぞれのキーワードの検索数を調べて、それを参考にしてタイトルを考えています。調べていてわかったのですが、悩みを持った人はネガティブなワードで検索している場合が多いんですよ。たとえばクラスで一人になってしまい悩んでいる子は「ぼっち 原因」で、彼氏ができなくて悩んでいる女性は「彼氏 できない 理由」で検索するんです。不思議と「彼氏 見つける 方法」のようなワードでの検索数は少ないんですよね。

でも、理由を知ってどうなるものでもないし、「自分に原因がある」「今の自分のままではいけないから直さないと」っていう考え方って結構危うい気がするんです。ぼっちも、彼氏ができない女性も、本当はその人にふさわしい場所や相手に出会えていないだけで、少し世界を広げれば解決できたり、悩むことじゃないって気付けたりするのに。だからこそ私のブログは、訪れてもらうきっかけは「ネガティブキーワードで検索して見つけた」でいいけれど、ブログを読み終わった頃には少しでもその人の心が軽くなって前向きな一歩が踏み出せるような状態になってくれたらいいなあ、と思いながら書いていますね。

 

―本業の方では、2016年1月に事務職からWebディレクターに転職されたと聞きました。それはどういったきっかけからだったんですか?

実は、きっかけとなったのは映画「アナと雪の女王」を観たことなんです。氷のパワーを持っていながら、それを見せてしまうと嫌われるからと身を潜めて生きていたエルサが、お城を飛び出して解放され、雪道を歩きながら「Let it go」を歌うシーンにとても感化されました。今まで自分は、それこそ先ほどもお話ししたとおり、「女子は女子らしくバランスを取りながら自分をうまく見せていくべき」だと思っていたんですが、自由にありのまま生きるエルサの姿を見て、「私は擦れてたんじゃないかな?」「『バランスを取ればうまくいく』と思っていたけれど、そもそも『うまくいく』ってなんだろう?」「今の社会に合わせただけの一般的な幸せに意味があるのだろうか?」「当たり触りなくやっていって本当に掴めるものなんだろうか?」なんて色々と考えたんです。それ以降、「失敗してもいいから、やりたいことをやろう」って初めて思うことができました。

そこからもう一度自分が何をやりたいのか問い直して、人に伝えたり発信していくことだと気付き、文章以外の伝達方法を増やすためにもとWebデザイナーのスクールに通い始めました。今までの自分なら「学んでどう活かせるんだろう?」などといろいろ考えてしまい踏ん切りが付かなかったかもしれませんが、アナ雪を観た後は素直に「興味があるから飛び込んでみよう」と思うことができました。

スクールで学んだ後、Web制作会社へ転職しました。面接の時に「異業種からなぜWebの世界へ?」と聞かれたときも、ブログのことも含めて、自分のことを「言い過ぎかな?」と思うくらいさらけ出して話していましました。面接の後は「余計なことまで言っちゃったし、これは落ちるに違いない。まあ、記念受験だな。」って思ってたんですけど、内定をいただけて。自分のことをさらけ出して受け入れてもらえたことは今までに無い経験だったので、本当に嬉しかったです。

 

―前職とはまったくの異業種になりますが、Web業界で働いてみてどうですか?

とても自分に合っているなと思います。この前少し驚いたことがありまして、Web業界は勉強会なんかも多く私もときどき参加するのですが、そうした会の中でLightning Talk(LT)という場があるんです。制限時間5分以内でスピーカーがプレゼンを行うのですが、この前のイベントでは若い女の子がLTで堂々とプレゼンしていたんです。Webデザイナーとしての実績も豊富で、かつとても心動かされる話し方をされる方でした。すると、会の後の懇親会でその子のところには長蛇の列が出来ていたんです!しかも、明らかに彼女より年上の男性が、彼女に技術について教えを請うていました。

前職では、前に出てスピーチをするようなタイプのしっかりした女性は「女性なのに可愛げが無い」と周りからからかわれたりするほど、まだまだ男尊女卑の風潮が残っていました。

だからこそ、年齢性別問わず優秀な人に敬意を表する文化があるWebの世界に感動したんですよね。すごく平等な世界だなって。だから、働く時間が前職より多くても、多少「ブラック」だと周りから言われようと気にならないし、私は今の仕事やWebの世界が大好きです。

 

―最後に、今後構想されていることがあれば教えてください。

読者の方を集めた、リアルな場づくりに興味があります。と言っても、集まってお茶を飲んでまったり話すくらいのゆるい場です。会って話さないと相談に乗ってあげられない部分も多いですし、遠からず近からずの存在の聞き役になって、何かしら悩める女子のお役に立てればなと思いますね。

 

■My note

Girls Real Hack。

サイト名だけ聞いて、女の子の可愛い生き方を指南したメディアなのかな?と思っていました。けれど、予想は裏切られました。記事をはじめて読ませていただいてびっくり。女の子のための人生指南的なメッセージがいっぱい詰まっていて、いい意味で、とても人間くさくて、「あー!これはリアルな生の言葉だから響くんだなあ」と感じました。

それもそのはず、ブログを運営しているRIAさんは、本当に自分の感情にいつも向き合い続けて言葉を紡いでいる方だったからです。その感情の中には、怒りだったり焦りだったり疑問だったり違和感だったりがたくさんあって、見てみぬフリをしてうまくいきていく方がラクなのに、RIAさんはそこから目を離しません。じーっと見つめて、でも吐き散らかさず、自分の中で昇華して伝えるための言葉に変えているんです。

経験があるから共感ができる。まっすぐな言葉だから心に届く。

RIAさんは、それがわかっているから、目の前の感情から逃げないのだと思いました。