感性は知らない海に私を連れてってくれる

なにかを選ぶときや決めるとき、どうしても今の延長線上での選択や決断しかできなかったりする。

「将来から逆算して」とか「◯◯の目的のために」と言っても、その将来やその目的は今の自分から生まれてるものだ。生まれてる〝だけ〟のものだ。

 

4年前、就職活動をしているとき、私は人材系の企業に行きたくて、その業界の企業ばかり受験していた。それまでの自分の22年間の中で、よくも悪くも「働くこと」について考えざるをえない状況が多くて、問題意識と関心を一番持っていた分野が働くことだったから、「働く」に一番近くで関われる人材系の企業を志望するのは、当時の自分にとって自然な流れだった。

 

人材系の企業の採用シーズンは早くて、他の就活生がエントリーシートを提出しているときにすでに面接ラッシュだった。が、ことごとく、びっくりするぐらいこっぴどく落ちて落ちて落ちまくった、あっさりと。

3月末の時点でほとんど〝持ち駒〟が無くなってしまった。これはまずい、と一旦業種の縛りを解いて色んなところにエントリーシートを出しまくった。そんなとき、とある方の紹介で、なんだか面白そうな企業に出会った。正直何の事業をしているのかはリクナビの文や会社概要をよく読んでもわからなかったけど、とりあえずエントリーシートを出したら通り、面接に行ったら自分を偽らずに気持ちよく話すことができて、そこで働く人ともうまが合い、、、みたいなことが続いて、縁合って内定をいただいた。正直、内定をいただいたときも何の会社かよくわからなくて「IT系」としか認識してなかった。

そういった経緯があって働いているのが今の会社だ。クラウドサービスのベンダーであり、企業のWebマーケティング活動を支援している企業。そこで半営業・半マーケ的なことをさせてもらっている。

 

この業界に飛び込んだら、いやでもマーケティング系の言葉(だいたい横文字)に囲まれる。最初はとんちんかんで議事録を取るのも精一杯だったし常に検索してたけど(インターネットって便利!)、さすがに4年も働くと知らない言葉はかなり減ってきた。それに、デジタル(Web)への関心やアンテナも少しは高くなったとは思う。(もちろん、会社では底辺レベルだけど・・・笑)

 

あのとき私は、人に惹かれて、直感に動かされて、導かれるように今の会社を選んだ。

その結果、きっとこの業界にこなければ興味のカケラも湧かなかったことに触れているし、そこに面白みを感じている。「苦手分野だし、私はアナログ人間だからこの業界では無理」と頭で判断を下してこの選択肢をとっていなかったら、また違う道を進んでいたんだろう。 

 

好きなことや得意なことだけをとことん極めるのも素敵だと思いつつ、「不意に迷い込んだ街で過ごすうちにその街が好きになっていた」的な、予想外の迷子っていいなあと思う。 

今の得意不得意好き嫌い経験を活かせるかどうかだけを判断軸に、頭で下す判断はいつだって自分を半径5mから連れ出してはくれない。まだ知らない世界を見たい私は、心に判断を委ねてもう少しプカプカ浮かんでみようと思う。